浅倉拓也
ヨットによる世界最高齢での単独無寄港太平洋横断に挑んでいた堀江謙一さん(83)=兵庫県芦屋市=が4日未明、米サンフランシスコから2カ月余りかけて紀伊水道にゴールした。約8500キロの航海だった。この後、兵庫県西宮市の新西宮ヨットハーバーまで別の船に引航され、5日に検疫などの手続きをした後に下船し、帰港セレモニーに臨む。
午前2時39分、堀江さんが操船する「サントリーマーメイドⅢ号」が、紀伊日ノ御埼(ひのみさき)灯台(和歌山県)と伊島(いしま)灯台(徳島県)を結んだ紀伊水道上のゴールラインを通過したのを並走したスタッフが確認した。
堀江さんは3月26日(現地時間)に米サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ下をスタートし、順調な航海を続けていた。日本近海では天候や黒潮の蛇行に悩まされたが、長年の経験や技術で乗り越えた。
堀江さんは60年前の1962年、今回と同じ19フィート(約5・8メートル)の小型ヨットで、西宮港から米サンフランシスコまでの単独無寄港太平洋横断に世界で初めて成功し、その名を知らしめた。その航海記「太平洋ひとりぼっち」はベストセラーになり、故・石原裕次郎氏主演の映画にもなった。
その後もヨットで単独無寄港世界一周や縦回り地球一周などを達成。今回は、2008年に波浪推進船でハワイ―紀伊水道を航海して以来の冒険航海だった。(浅倉拓也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル